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天冥の標

全十巻、17冊の大長編SF。
Kindleで少しずつ読んで全巻読破しました。
以下ネタバレ。

2800年代、人類が宇宙に進出した世界の、とある植民惑星から物語は始まる。

致死率95%の感染症「冥王斑」と
冥王斑から回復したものの、ウィルスを保持し他者を感染させるため
迫害されてきた「救世群(プラクティス)」にまつわる長い物語が描かれる。

挿絵のないタイプの小説であるが女装が似合う美少年アクリラや
ヒロインが人型甲殻生物だったり魅力的な人物揃いです。

1巻で凄惨なラストを遂げた次の巻からは2010年代の過去編が始まり、
それからずっと過去に何が起こったのかの話が2~7巻に渡って描かれ、
1巻の続きは8巻に入ってようやくスタートする。

長編ではあるがストーリー展開は早く、
一ページ先どころか一行先は闇、というべき急展開の連続が見どころ。
また1巻の結末に代表されるようなどんでん返しも多い。
核やウィルスによって大勢の人が死に、
巻数を重ねるにつれ死人の数は急激に増えていく。

5巻で明かされる敵・植物生命体オムニフロラは
銀河単位で膨大な数の文明を征服してきたスケールのでかすぎる敵で、
知らない間に致死性のウィルスをばらまいて文明を滅亡させた上で取り込むという
「悪の組織が水道に毒を混ぜる」ような阻止困難な手を使って来る。

6巻では虐げられてきた救世群が異星人カルミアンによって
ついに地球文明に宣戦布告するストーリーで、
「自分たちはこんなにも苦しめられてきたのだから
お前たちも同じように苦しんで当然」という理屈で
残虐行為の数々を繰り返す。
この被害者が加害者になってしまう構図がつらい。

アクリラがミスチフに体を入れ替えられて電力がパワーアップするの
スパロボの後継機獲得イベント感があった。

終盤、オムニフロラに対抗する切り札として
「ウィルス」の名前が出るのが最高に熱いですね。
この小説がずっとウィルスをテーマにしてきたのだから
最後にウィルスが核になるのは実に盛り上がる。

終盤、億単位の数の戦艦が激突する艦隊戦は圧巻。
また、アカネカとラゴスとの語らいにて、
理想的と思えた手段も長い目で見れば更なる脅威をもたらすことが語られ、
作者の思索の深さに圧倒されました。


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