カーニバル/清涼院流水

長らく積んでいたがようやく読了しました。
「一輪の花」「二輪の草」「三輪の層」
「四輪の牛」「五輪の書」の文庫で全5巻からなる大長編小説。

以下ネタバレ

作中時間で1996年から1997年に渡って起こった
「犯罪オリンピック」を描いた話。
本編自体長い上に前作の「コズミック」「ジョーカー」を読んでいることが
前提の内容なのでハードルが高いですw

テロ組織「RISE(ライズ)」によって犯罪オリンピック宣言が成され、
毎日の死亡者数が400万人になり、
毎週ギザのピラミッドやイースター島のモアイ像など
世界各地の名所で十億人を殺す者――ビリオン・キラーによって
常軌を逸した不可能犯罪が発生する。
推理小説でも最大級のスケール、被害者数の話で
世界中を巡るので最大のトラベルミステリーの一面もある。

とにかくうんちく語りが多かった。ヒトラーの半生長すぎるよ・・・
過去の話を振り返る部分も多く、読んでいる途中で
間が空いて過去の内容を忘れた場合などは役に立つ。
長い話だったが結末は私的には納得が出来たしとても面白かった。

JDCの新探偵や、DOLLの世界最高の名探偵「S探偵」など
様々な探偵が登場するが、新キャラや過去作品からの
キャラも含めどんどん死んでいく。

R言語とは現代日本の若者言葉に近く
全ての言語を内包した言語というのは確かにその通りだ。
神聖城(サンクチャリ)など漢字に外国語のルビを振る言語は
日本語では無いし、あらゆる言語を内包している。

5巻の、真の敵「悪党666連合」の解説が始まる辺りが面白い。
始皇帝、董卓、ネロ、ジル・ド・レェ、ヒトラーもその二軍だったらしい。
道鏡や由比正雪はそんな悪党でもなかったようなw

しばらくビリオン・キラーの事件が起こらず
謎の大陸が浮上して大津波が起こり、
日本を含めた環太平洋圏が水没に危機に入る展開が
たまらなくスリリングだった。

由比賀独尊の「自覚的ナルシズムの理論」面白いw
九十九十九があっさり退場してしまったので
彼が味方サイドで最も頼れる人物になっている。

終盤で龍宮城之介が復活する展開が熱いですね。
メカ音痴のキャラが機械を触っただけで壊してしまう設定はよくあるけど
機械に詳しくないと触っただけで壊してしまうのは
無理というのは確かにその通りだと思った。
やっぱり最後にレギュラーの名探偵が活躍すると盛り上がる。

五十通りに解釈できるアナグラムすげえw
五十は城之介が言っているだけで
本編と関係するワードになるのは十二通りぐらいらしいがw

人類史の真実や全ての黒幕が人類の母イヴだとかいうくだりは
清涼院先生らしいかつてないスケールの大きい話でした。
ビリオン・キラーの事件のトリックはまぁこんな感じだろうと思ったが
全くトリックが無いことはなく、「一瞬で十億人を殺す方法」は中々盲点だった。
トリックの無い推理小説を色々見て来たので
それに比べればまだマシだと思える不思議w

彩紋家事件のラストで鴉城蒼司と九十九音夢が結婚したのは知っていたが、
こちらでもとくに馴れ初めなどは描かれず
ラストで結婚したのが明かされただけだった。
てっきりカーニバルの最中にフラグが成立するのだと思っていたよ。

話の途中であまりにあっさりと暗殺された九十九十九だが
こちらは復活することなく死亡したままで話は終わった。
冬扇夜美子がイヴだったり、未来の超技術だったりと
復活できる要素が色々ある気がするが
この辺は次回作に取っておいたのかな。
まぁ次回作は過去の彩紋家事件で
カーニバル以降の話は未だ発表されてはいないのですが。

巻末には袋とじで作者のあとがきがあり、
どういう過程で作品が描かれたのか、
作者の意図などが分かるようになっている。
こういうのは非常に珍しい。
「作者の言いたいことは作品を読めばわかる」なんてよく言われますけど
実際のところは読者の解釈止まりで全然わかりませんからね。


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