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貴族探偵/麻耶雄嵩

推理小説の短編集。
メイドの田中さんかわいい。

以下ネタバレ


貴族探偵とあるけど時代は現代。
本名不明の自称・貴族探偵は大きな権力を持つ家の出で
警察上層部に強力なコネを持ち、
主に暇つぶしや気に入った美女のために捜査に介入する。
ここまでは割とよくある設定だが、多くの安楽椅子探偵との違いは
調査はおろか推理までも使用人任せで
本人はほとんど何もしないというところでしょうか。
「雑事は所有物である家人に任せる」とのこと。
推理小説における探偵役は老人で執事の山本、
若いメイドの田中、マッチョの運転手の佐藤。
本人は何もせず尊大な態度を取るだけだが、
使用人の能力を信頼し、自身は何もしないのは分をわきまえているとも言える。
それに素人が捜査に介入するには彼の強力なコネが必要なわけで
一応解決にも貢献していると言える。
どんな名探偵もまず捜査に加われなければ解決は出来ないからね。


「トリッチ・トラッチ・ポルカ」

捜査に当たる刑事がかなり優秀で好感が持てたが
最後証拠をねつ造しようとしたところで一気に地に落ちたw

「こうもり」

解決編で、大杉から煙草のにおいがしたと言う指摘があり、
記憶に無く見落としたかなーと該当箇所を読み返しても
その描写が見つからず、どこで指摘したんだろうと思っていたが、
解決編を読み進めて行ったら叙述トリックによる仕掛けだと分かりました。
よく似た人物をアリバイ証明のための替え玉として使うという
現実でやっていること自体は陳腐な真相だけども、
その替え玉の本名を堂々と記載して別の人物に見せかけ、
更に一人しかいないのに二人いるように思わせているのはさすがでした。

「春の声」

ラストはこれまでに登場した三人の使用人が、
三人の被害者それぞれについて推理すると言う上手い締め方。
貴族探偵が口にしたAがBを殺し、BがCを殺し、CがAを殺したと言う
“煙殺人”という冗談のような真相を
ダミーの推理では無くきっちり真相として成立させているのがさすがである。


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