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されど罪人は竜と踊る 12 The One I Want

使徒編の終幕にして第一部完結!

以下ネタバレ


圧・巻

買ってから一日で読み終えました。
いやぁ滅茶苦茶面白かったです。
こんな面白い小説を一年に一度のペースで
読めるなんてなんて幸せなんだろうと思う。
派手な咒式戦闘、策略とどんでん返しの連続、
意外なあの人物の復活劇とこれぞエンターテイメントの真髄というような出来でした。
かつてリアルタイムでFate/Zeroやコードギアスを
見ていた時に匹敵、あるいは凌駕する盛り上がりだった。

名作の条件とは人それぞれですが私にとっては物語がおもしろいことに加え
読者や作中人物を合わせた他を圧倒する個が
物語をかき乱し、あるいは支配してしまう
ことで、
そういう個がいるかいないかが単に面白かったというだけの作品と、
長い間心に残り続ける最上級の名作との境目だったりします。

合計4巻に渡る、され竜最大長編になりましたが
これでまだ第一部完なの?と思わずにはいられない。
作者的には第三部らしいが……


優しくも残酷な結末……

え、優しさなんてどこかにありましたっけ。
マジ残酷2000%だったと思うんですが。
でも驚かされたのは確か。

キヒーアがここに来て凄いアンヘリオLOVEな乙女になっている。
ペトレリカに嫉妬したり、ザッハドに治癒咒式を使わされた時の反応
「アンヘリオ以外は治さない!」とかマジ乙女。

カジフチは当初は一般人の犠牲は出さない殊勝なキャラで
アンヘリオが遊び半分で一般人を殺した時も怒っていたのに
最終的にはアンヘリオを怒らせるために一般人の巻き添え承知で
ペトレリカを殺そうとしたなど、こういうところはやっぱりされ竜だなぁと。


パンハイマ様復活!!

実は吸血鬼、もとい吸血姫だったパンハイマ様が
あっさりブラージェモを駆逐してくれたのは嬉しかったですよ。
何たってされ竜だからここでパンハイマ様を消しても何らおかしくなかったので。

パンハイマって名前からしてヴァンパイアがモデルなのは
あからさまだったのにそこに思い至らなかったのは
これまで全くされ竜世界で吸血鬼の存在が示唆されなかったからだろうな。
このために今までこの情報を意図的に伏せて来たのか。

ザッハド処刑の日は絶対何か起こると分かっていても、
こちらの予想の裏を掻く、数段えげつない展開に圧倒されました。

ロレンゾとハーライルがあんなに呆気なく死ぬのが哀れで……
しかしこの主要人物の生死さえもサプライズの駒として利用する姿勢は嫌いじゃないぜ。

三頭の魔犬を合体させる三頭獄狗憑咒召法(ケー・ベロウ)
八頭でやるらしい八頭獄狗憑咒召法(テュー・ホー・オーン)とか凄いカッコよかったのになぁ。

復讐劇の完遂と言うのが好きなので、ロレンゾがアンヘリオを倒し、
生き残って喜んでいたらこの展開だよ。
後にザッハドと言う真のラスボスが控えていたからちょい油断したね。
蛙化の呪いの解除もアンヘリオが自分でやったなら問題ないのか……
てか蛙化の呪い自体、人々を騙す手段の一つだったかもしれないね。
犬に喰わせて死なせるという他の作品ならまず確実に死亡判定できる死に方が、
ニョルニョウムの能力を用いた復活と逆襲に繋がっていたのは完全に裏を掻かれましたわ。
ある意味ポリシーに反してロレンゾの息子と孫を殺したのも
ロレンゾを誘き出すための策略だったとか全く容赦ない。

アンヘリオはパンハイマの策でペトレリカを殺してしまい精神崩壊。
Dies iraeでもあった、奪うためにはまず与えねばならないと言う奴ですね。
最後はザッハドの噛ませにされて呆気なく死亡しました。
こちらは全く同情しないけども。

第七階位の派手な咒式ではなく、第一階位「虚刃」で瞬殺とか、
まさに「メラゾーマではない、メラだ」を地で行く展開……

ウブシュシュの正体は異貌のものどもをエミレオの書に封じさせた張本人、
エミュレリオ・エミュレーディだった。
うん……出てくるタイミングとやたらと偉そうな態度から
わかる通り見事な噛ませ犬だった。

ペトレリカの人格がパンハイマ様の演技と知って驚くよりもむしろすごく納得しました。
あんな色々と都合の良すぎる性格は人工的に造り出されたと考える方が自然だわ。
何度かアンヘリオを殺せるチャンスをペトレリカのせいでフイにしたけど、
そのせいで死なんでもいい人が何人か死んだけど、
パンハイマ様の傀儡だったなら仕方ないよね。
独りよがりな善意のせいで犠牲が増えると腹立つが、
それが邪悪な計略の結果ならむしろ和らぐという……

アンヘリオっていくら意識が変わっても人を愛するようになっても
思考が殺人から一切切り離せない辺り、それほど小難しいことなく
要するにこいつただの下衆だったんじゃねぇかと思えてくるなー。
ザッハドやアンヘリオの精神状態は常人には理解できないが、
ゴートレックや暴動に参加するクズどもの思考も
結局善良な人間には理解できないと言う点では同じである。
本質なんてものにさしたる意味は無く、
やるかやらないか、危険か否かが重要なのかなと思ったり。

しかし話が進むにつれて当初は一枚でも脅威だった
金剛石の円盤がどんどん噛ませ化していった気がするな。
カジフチに砕かれ、パンハイマの核融合で消し飛ばされ、
ギギナに真剣白羽取りでそのまま返され、
最後にはユラヴィカにまとめて撃ち落とされるし。

ヒルデはいきなり出てきてチェレシアを殺すぐらいはやるかと思ったが
そういうことは無くあっさり逮捕されました。ま、まさかレギュラー化?

アンヘリオを乗せたタクシーの運転手が生き残れたばかりがちょっと味のある脇役になっていたw


パンハイマさま、大勝利!!

いやー最終的にはほとんどがパンハイマ様の掌の上というのは
ファンとしてはありがたいですね。
結局病魔もフェイクだったし。
アンヘリオだのザッハドだの強敵がわんさこ出てきて、
パンハイマ様も噛ませにされる危険が高かったこの物語で
見事最後にあざ笑うポジションをキープできたのは凄いですよ。
ライトノベル界を代表する悪女の地位を不動のものとしたね。
それだけにガユスの最後の言葉が不安ではあるが……


パンハイマ「なんだそりゃ。戦場で御涙頂戴の正義ごっこのお芝居とは、阿呆ぞろいだな」

↑色々と応用が効きそうなセリフ。


パンハイマ「退屈なやつらが、最後尾で退屈だ孤独だと泣き言と共に死んでいく間に、
妾は十二代までのパンハイマを踏み台として先に進む。
この世の血と惨劇の最前列に立って楽しむ。ずーっとずっと、竜と踊りつづける」


うわぁ、よもやこの小説のタイトルに最も合致する
生き方をしているのがパンハイマ様だったとはw
確かに「踊る」って「遊ぶ」とほぼ同義だものね。

マラキア=アギーラマに全く気付かなかった私。
彼の異常な不死身っぷりは吸血鬼ゆえの超再生能力で、
人間とは桁違いの咒力を持つ“異貌のものども”なら何らおかしくないけど、
みんなマラキアは人間だと思い込んでいたから
その不死身ぶりが異常に見えたと言う事なのかね。

そういや同列に語られていたオーギュリーって
ウォルロット編で登場したキュリオのことか。
こちらは何か同じ不死身属性の奴いたなというぐらいで名前は完全に忘れていたんだけども。


ヨーカーン「基本的に我は観測者だ。今回も」

ニートの言い訳臭い台詞。
まぁ似たようなポジションのニートと違って
こいつはかなり働いている方なのですが。
パシリに行かされたり転移咒式連発させられたり、
ユラヴィカを蘇生させるのにも相当苦労したらしいしな。

自分の力を持て余しがちな強者には、
アンヘリオやパンハイマみたいに要らんことをしないように
ガンガン厄介事を押し付けて
馬車馬のごとく働かせる上司が必要ってことですねw


カジフチの持つエミレオの書は<彷徨するハーコン>
結局カジフチは一度も使うことなく最終的にはユラヴィカに吸収される。

アンヘリオが所有する七冊目のエミレオの書は<ウゥグ・ロンナの門と鍵>

ホン・ロンが長命竜、アダマチウス・スが一〇八帝の一体なので、
最後の一冊が大禍つ式なのはバランスが取れているな。

伯爵級の大禍つ式で、この世に顕現すればこちらと禍つ式の世界を繋げ、
侯爵級以上の大禍つ式を降臨させ、人類世界を禍つ式の世界に変える。
鍵の方はザッハド本人だった。


最後の方はガユス最低!と突っ込ませたがってそうな展開。
というか同時進行のギギナ、ヨーカーン組のザッハド追跡と
ユラヴィカの復活が盛り上がり過ぎてその落差が酷い。

チェレシアはかわいそうっちゃかわいそうだけど
正直家族もろとも殺される可能性が高いと踏んでいたのでまだマシな結末だったかなーと。
実際ガユスがチェレシアの元に戻ったら
ジヴをレギュラーに復帰させるために作者の運命力が働いて……

黒い棺の正体はユラヴィカだった。
エミレオの書も取り込んで最強の咒式剣士へと近づく。
屠竜刀ゾリューデが出てきたり、
殆ど面識もないカジフチがユラヴィカを引き合いに出したのは全て伏線だったのか。

ザッハドは大賢者の力を借りたとはいえほとんど
ユラヴィカの復活劇を飾る噛ませ犬みたいな形で終わりましたね。
まぁザッハドはそんな魅力的なキャラでも無いので
むしろさっさと倒してくれてありがたいんですけど。
動機も何か人類補完計画っぽくてありがちでしたし。

パンハイマ様の計画も良かったけど、最終的にインパクトでは
ユラヴィカの復活とその強さの方に軍配が上がりますかね。
惜しくも退場したキャラが鬼強い味方になって出てくるのは凄く燃える。
アナピヤ編の頃はそんなに気にかからなかったのだが……
そういや倒した相手の顔面の皮を剥いでマントに張り付けるという
ネプチューンな趣味がありましたね。
今となってはその程度の性癖、され竜では大分まともな部類に思えるよな。

このザッハド編はすごく面白かったので音声媒体でも聞いてみたいな。
パンハイマ様を演じるとすれば誰が適役だろうか。
アンヘリオは諏訪部順一、カジフチは小山力也、
ブラージェモは中原茂、ヒルデは釘宮理恵、ザッハドは立木文彦辺りがイメージなのだが。
ヨーカーンはもちろん先割れスプーンもとい鳥海浩輔さんしかいないw


<パンハイマ綜合警備保障 構成員名簿>

パンハイマ・ルヴァ・アミラガ
マラキア

一席~六席(順位不明)

グイド
ウィンズル
勇士ハーリオ

七席~九席(順位不明)

鳥戦士フダラク
悪魔の花嫁シャマリエル
説教師ナミブレ

第十席 カン・ドゥン
第十一席 ガスコフ・デミ・ボールゴ
第十三席 ヒビギヒ・ヒギヒヒ
第十四席 ジョセフィーガ・グデレリド
第十五席 ジョセフィーグ・グデレリド
第十六席 首切り盗賊ロンゴロルド
第十七席 蜘蛛縛りのギシリ
第十八席 ゲッゲル
第十九席 蛇絞めのシュルルフス・グデレリド
第二十席 蛇絡みのシュルルフム・グデレリド
第二十一席 毒虫のホーロッド
第二十二席 <挽き肉屋>シンギヒ・ヒギヒヒ→フルフラウ
第二十三席 <獣の花嫁>オボロホ→アドミス
第二十四席 <首吊り人の足を引く者>マグスタイ→射手座のウンビーノ



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