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Another 第12話「Stand by oneself -死者-」

小説版の内容も全部ネタバレ。


アニメの途中で原作全部読んでいました。
まぁキャラの顔をすんなりイメージできるのは良かったかな。
そして赤沢さんの出番の少なさとアニメでの優遇ぶりに驚き。
終盤は原作と比べて死者の数も生徒たちの狂いっぷりも
遥かにエスカレートしていました。
怖さでは先生がいきなり首を掻っ切って自殺する辺りが一番ショックだった。
首チョンパならさっぱりするが中途半端に残るとかなり怖い。

綾辻氏は推理小説に超常現象的要素を取り入れることがよくあるので、
死者が増えるのは超常現象だと言われても、
ああ、今回はそういうルールなのねとすんなり呑み込めた。

超常現象の割にはきちんとした法則性があるのが、
推理小説っぽくて変だなーと思ってたが、
むしろホラーではよくあることなのかな?
ホラーは全然読まないので詳しくないのだ。


先週凄まじい豹変ぶりを披露した杉浦さんは原作でも死亡したけど、
原作では生き残っていた風見まで暴走した挙句死亡してしまうとは。
原作では殺人鬼のおばちゃんに殺された赤沢さん。
先におばちゃんが取り押さえられたので生き残る可能性も出たが、
ガラスの散弾を喰らってやっぱり死んじゃいました。

三神先生=怜子さんというのが本作の根幹を成す最大のトリック。
この人はずっと名字と名前だけで表記されていて、
あたかも別の人物であるかのように錯覚させていた。
作中人物にとっては周知の事実を、表記を変えることで読者に錯誤させる。
本作の作者には常套手段である叙述トリックです。
ヒントは九官鳥の鳴き声とおじいさんの台詞。
いずれも決定的な証拠ではないが、
そういうものは決して出ないことは作中で明言されているわけで……
だからこそ改竄の影響もうけなかったと言うことか。

顔が見えない小説だからこそ成立するトリックなわけだけど、
アニメでは学校では眼鏡を外したり、声優の名前を変えたりして対応していました。
さらに最終話直前で三神先生が死んだように見せかけて疑いを逸らせてみたり、
先週はほほう、やるなぁとか思いながら見てました。

鳴は三神先生が死者だと知っていたわけだけども、
殴られた時に死んだのなら万事解決と見做して何も言わなかったが、
まだ死亡現象が止まらなかったので、確実にトドメを刺すために
自分で殺しに行った、と言う解釈で良いのだろうか。

恒一が赤沢さんとの記憶を失っていたのは、
怜子の死で記憶の改竄が起こったためか。
即ち当時恒一の近親者が死亡している、というヒントだったわけですね。

アニメ版と原作の最大の違いはやはり赤沢さんの扱いですかね。
原作だと会話で名前が出るだけで、上巻は全く出番がなく、
下巻で合宿の食事の場で恒一と鳴を槍玉に上げるシーンで
ようやく出番が来た……と思ったら、
その後火事の混乱の間に殺人鬼のおばちゃんに殺される。以上。

外見の可愛さも相俟ってアニメでは最も優遇されたキャラと言えるでしょう。
結局死んじゃったけどね。

作中で発生する死は完全な超常現象ではあるが、
同時に「死者」を犯人に見立てた犯人当てミステリーでもある。
作中ではっきり説明されているように、
現在進行中の事件から手がかりを探すのは不可能。
作者の今までの作風から主役二人にも疑いの目は向けられるわけだが、
恒一は結局ただの語り部で、
鳴ちゃんは結局死者を識別するセンサーであり、
凄惨な死の数々にも、真相に繋がるようなヒントは殆ど無く、
推理小説的な視点で見れば、彼らも含めて、
本作の大半は真相を覆い隠すフェイクとして機能している。
むしろ推理小説的な要素を取り入れたホラー小説と解釈するのが自然なんでしょうけど。

原作の後書きでは続編の存在も示唆されている。

とりあえず今後は毎年の頭に鳴ちゃんが学校に行って死者識別すればいいんじゃないですかね。
まぁ学校ごと潰すのが一番良いと思いますけど。
後は3組を残したままで、誰も在籍していない無人のクラスにしてしまうとか……
これに限らず、通じるかどうかは作者の裁定次第なわけだけどもw


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