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灼眼のシャナIII -Final- 第4話「再会と、邂逅と」

“祭礼の蛇”坂井悠二

仮装舞踏会盟主。
炎の色は黒。銀の炎はその影。


悠二が洗脳や人形ではなく、自分の意志で
仮装舞踏会側に付いたと知った時は大いに盛り上がったね。
洗脳された仲間を元に戻す展開ほど退屈なものは無いので。

女主人公と男主人公、天罰神と創造神
この両者にして四者が向かい合う構図は、
全てがこの時のためにあったのかもしれないと思えるほど出来過ぎていますね。

愛情であれ友情であれ憎悪であれ宿命であれ、
対等かつ、最も結びつきの強い二人が同じ空間にいるならば、
何を置いても戦うべき。殺しあうべき。
キャラの性質にもよるだろうが、
それこそが、互いの存在を最も輝かせる瞬間であると私は思う。


悠二

「シャナは、好きな人全員を守り切れる?」
「父さんや母さんが、どこかで徒に襲われたらどうする?」
「知り合い全員に、フレイムヘイズの護衛をつけられる?」
「この世界は守り切るには広すぎる」
「この手でこの世の本当のことを変えてやる。
不条理の可能性を、この世から消し去ってやる」



正義の味方の限界

人類が気付いていないだけで、この世界は人間を喰らう徒がうようよしており、
今日も誰かが喰われて、その存在を忘れられている。
親しい人間が、ふと目を離した隙に徒に食われる危険を常にはらんでいる。

これに対してフレイムヘイズ側は圧倒的に手が足りていない。
人間の通り魔犯罪と同じ。
発生の痕跡を辿って犯人を始末することは出来ても、初期段階の犠牲は止められない。
事実、悠二が消えたのを誰も止められなかったように。

これは本作に限った話ではなく、
集団規模の善と悪の戦いを描いた物語ならば何にでも言えることで、
無軌道に動く敵に対して、それを制する側は後手に回るしかなく、しかも手が足りない。
それこそ、護衛対象全員に対して、
脅威に対処できるだけの護衛に四六時中死ぬまで監視させない限りは無理だ。

特撮ヒーローもののように、敵は常に分かりやすい形で
正面切って襲ってくるとは限らないのだ。
そこで映し出されているのは所詮局所的な勝利に過ぎず、
大局で見れば正義の味方は常に負け続けている。
この有り触れた、それでいて見過ごされてきた現実を指摘し、どうやってそれを解決するか。
それこそが、他作と比べた際の特徴となりうる、本作のキモと言っていいだろうな。
小説で読んだ時にはなるほどとその冷徹なリアリズムに痺れました

実際これまでは、徒が何かしようとしているから潰そうという、局地的な戦いしかなかったのよね。
二転三転する状況に振り回されるばかりで、今ひとつテーマが見えてこなかった。
だから目的のはっきりしている過去編の方が面白かったわけだけども。

現実を知らぬ子供は目の前の勝利にだけ酔い痴れ、
現実を知る大人は全てを救うのは無理と諦め、
自分に出来る範囲のことをと達観する。
だが現実を知って尚、それを認められない者はどうするか。
その救えぬ現実を破壊し、世界そのものを変革する道を選ぶしかない。
それは英雄であり救世主であり、一方で覇王や大殺戮者と呼ばれる者の道である。


親しい人間を守ることを目的とするならば、現在の状況は、とっくの昔に詰んでいる。
フレイムヘイズの存在で被害は抑えられているが、
徒がやりたい放題やっている現状は数千年以上昔から動いていない。
フレイムヘイズは敵を殺すのが役目で、それ以上の事は世界のバランスを崩す危険があるのでやろうとしない。
そもそも成り立ちからして復讐が動機なので、一部の例外を除けば皆徒への憎悪に凝り固まっている。
そんなフレイムヘイズと徒が手を取り合って世界を変えよう、
何てことは天地がひっくり返ってもあり得ない。
この過敏な反応故に今まで世界の秩序は辛うじて保たれてきたとも言えるが……
この世の本当のことを変えるためには、紅世の徒側につくしかなかった。
本気で目的を遂行するためには、先制して、完膚なきまで叩き潰す以外の選択肢は無いのだ。


ヴィルヘルミナ

銀の繭から“銀”、もとい暴君がうようよ出て来るカットは中々見物でした。
ああ、こうなっているかと視覚的に分かるのはアニメの良い所ね。

自らの過去の真実を見せられ、マージョリー精神崩壊
フレイムヘイズとして戦う動機を失い、暴走・消滅の危機に陥る。
これは人間である悠二だからこそできる、人間の弱みを突く効果的な一撃でした。
長い間世話になった知り合いだろうと容赦なし。
既に戦争は始まっているんだから、過去のしがらみに囚われて手を緩めればこっちがやられる。
強者であればあるほど、長い目で見れば無視できない障害となるわけだし。
ちなみにシャナを殺さないのは、悠二個人の都合だけでなく、蛇の側にも理由はある。

悠二がかつての武器である吸血鬼とアズュールを使ったように、
“祭礼の蛇”固有の攻撃手段などは無い。
燃料である存在の力は相当に底上げされているようだが。
あの長いポニーテールや銀色の鎧は教授の作品です。


吉田さん振られる。

ライトノベルのいい所はきっちり三角関係に決着がつくところだ。
三角関係に陥った時点で、いずれか一方は身を退くことを宿命づけられている。
ゲームのように、複数の並行世界(ルート)などという都合の良い現実は無い。

だがそれでいい。
ここでは選ばれなかったが他のルートでは……なんてのは所詮都合の良いだけの女であり、
他の女を選ぶ主人公もまた、ただの都合の良いだけの主人公だ。



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