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清涼院流水『彩紋家事件』感想

講談社文庫『彩紋家事件』全三巻の感想。

このブログでは珍しい推理小説の感想です。
一時期ほどじゃないけど管理人は推理小説好きです。


以下ネタバレ。
結末・トリックにも触れてるので未読の方は絶対に見ないように。




毎月十九日に、奇術師の一族・彩紋家の縁者が
奇術の道具を用いて殺される事件が十九ヶ月続く・・・


序盤はずっと奇術サーカスの描写が延々と続きます。これがかなりツライ。
会話のシーンが挟まれるならまだ読めるのですが、
奇術の描写だけに徹せられると本当にツライ。
「奇術の謎~」と出てくるので、それを読めば大体解るのが救いか。

本作には奇術の謎が150近く(!)も出てきますが、
それらが全て解き明かされます。
半数近くは放置されそうだっただけにこれは驚き・・・

破った名刺を燃やして再び取り出すトリックと、
腕と野菜を突っ込んで、野菜だけを切るアームギロチンのトリックが中々面白かったです。
ただ、奇術なので特殊な仕掛けがある道具とか、
訓練された奇術師にしか出来ないテクニックとかも使われます。
それで驚けるかどうかが、
本書でいう『奇術師』でないかそうでないかの違いなのでしょうな。

まぁ、私の場合は事件の展開の方が気になって、
奇術トリックの方はあまり入れ込まずに読んでた気がする。

本編はひたすら奇術の描写に費やされ、殺人事件のほうは実にあっさりとしたもの。
最終的に19人も死ぬはずなのに、
2巻の時点でもまだ4番目の被害者というスローペースで、
3巻前半に入ってもページの大半を
奇術トリックの解説で占められ、大丈夫か?と思ってたら・・・
ほとんどダイジェストなノリで四人も一気に殺されたり・・・
緩急が激しすぎる作品だなぁと思いました。

本書は第7章からがキモですね。

日本探偵倶楽部の皆さんが登場。
学ランにリーゼント頭のツッパリ探偵『雷王寺路拳郎』、
マッサージ探偵『指宿あん』とか個性的な探偵が続々と。

龍宮家の皆さんを見るに、作者さんのキャラメイクはズバ抜けてると思ったり。
龍宮城之介なんか主役に据えて十数巻以上は
シリーズ重ねられるほどの個性があると思うのだが・・・

ある意味奇術トリック以上の目玉、
この作者さんの本を読んだ事があるなら、もはや御馴染みの言葉遊びのオンパレード。
『十九』の解釈には結構唸らされた。

白夜叉の正体があの人で、名前にヒントが隠されていたとは・・・
もちろん思い浮かべるのはデスノート・・・ジョジョ4部でもアリだけど。

帯にもある『日本史を揺るがす驚愕の真実』・・・
これは衝撃的だわ・・・ちゃんと作品のテーマにも密接に関係してるし。

彩紋家の縁者は38人も登場し、
19人殺されても思ったより生き残ったな・・・と思ってたら・・・

『彩紋家事件』は終わり、真の『彩紋家殺人事件』が幕を開ける―――――

このどんでん返しが一番衝撃的だったよ・・・
他のシリーズで語られる『彩紋家事件は白夜叉が起こした連続殺人』という話と
今回の事件が微妙に違うのはそういう事だったんだ・・・

「伝説とは、往々にして事実が脚色されたものである」
これは、彩紋家事件は本当は殺人事件ではなかった、
という意味かと思ってたけど・・・やられたよ。

半数近い生き残りも15ページ程度で4人を残して全て殺されます。
物凄いカリスマを放っていた『アジロ・ザ・ゴッド』鴉城蒼神も
「え!?」というぐらいにあっさり死にます。

物語の核心とクライマックスを
ラスト30ページに凝縮して終わらせたのは凄いなぁ・・・と思う。

そしてラストシーンが・・・これは『カーニバル』を読めって事ですかね?

音夢たんは蒼司の嫁―――――!?

何という年の差カップル。
しかし、鴉城蒼司ならば妻に生き写しの女性の娘を
嫁に取るぐらいはやってもいいように感じる。
つか、蒼司がソリから放り出された音夢を助けたのは、
あれはフラグ立てだったのかよw
音夢たんがあれ以来ずっと総代に懸想してるとしたら・・・
何か見る目が変わってくるぜ。いい方向にw


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