まず一言……
だから言わんこっちゃない。
結論を先に言えば、
真相は明かされない。
多くの伏線は回収されないまま、
謎は謎のままで終わる。
ついでに赤文字システムも
絶対ではないことになる。
大体、あんな無闇やたらに
謎と伏線ばら撒いといて、
最後にまとめて残らず解決回収なんて
そんな神業できるわきゃねぇだらああああああ
ああああああああああああ!!!!!!!!
ま、「真相は提示されない。猫箱で猫箱のまま」って終わり方は
十分予想できたことですがね。
それが最も可能性が高い結末だと思っていた。
物語の中盤までは縁寿と完全にシンクロしていましたよ。
戦人は真実を一切語ろうとはせずに、綺麗事言って煙に撒くばかりで、
まさにこの作品の読者に対する姿勢そのもの。
真実の書が開けられるまでは
いつまで続くんだこの茶番は
とずっと思っていた。
その真実ですら、スキップされるわけで。
この時点で真実が明かされる目は完全に潰え、実際その通りになりました。
縁寿が心変わりした時点で完全に感情移入から外れ、
後はただただ成り行きを見守る傍観者になっていました。
あー、EP7の「これは全て真実」は、「とは限らない」と続くという、
私が「もしそうなら最低の子供だましだな」と思っていた通りの解決法でした。
ま、赤文字システムが無意味となった今それについて議論するのも無駄ですが。
「ハッピーエンドでは終わらない」も同様。
赤文字が無意味になったことで、金蔵死亡説やら
紗音と嘉音の同一人物説も全て考えるだけ無駄無駄無駄無駄無駄ァ!
まぁ、嘉音の不在は今までの赤文字全部と照合しようとするとかなり無理っぽかったけど。
嘉音の死亡が宣言されているのに、異なる人間が嘉音を名乗ることは許されない、とかさ。
EP4のラストでベルンとラムダが赤文字で戦人推理を否定したのは完全に蛇足だったな。
あのまま終わっておけばまだしも……もう体内で菓子型の時限爆弾が爆発したでいいよ。
その辺、あまりの赤文字の多さに逃げたようにしか思えないんですけどね。
結局、この推理が最も真相に近かったわけですよ。
本職の推理作家でもない人があんなたくさんの密室トリックを考えられるわけがない。
作者はひぐらしで細かい説明や伏線回収をスルーした前科がある。
故に総てのトリックは解答が用意されていないが正解である。
作中で山ほどばら撒かれた伏線や手がかりなんぞ
いくら推理しようが無駄だったんですよ。
逆に考えるんだ。こんなに多くの伏線ばら撒いて回収しきれるわけがない、と。
そんなものより読者が推理すべきは、作品全体の流れ。
EP8に至るまでの内容を見ていれば、
作者がどんな落ちをつけようとしているのかおぼろげに見えてくる。
大体ですよ。この作者がこれまで提示されたトリックを
一つ一つ解決していくような
丁寧かつ親切な終わり方を用意すると思いますか?
そこまで作者の傾向を読み切ることが出来れば、
この結末も実に妥当なものに思えるでしょう。面白いかどうかは別として。
まぁ、感想を一言でいえば、
面白かったけど、がっかりしたかな。
がっかりしたけど、面白かった、でも可。
終始盛り上げようとしているのは分かったんだが……
私が期待するようなサプライズはもう無いなと思った時点で結構冷めてきたのも事実。
やっぱりうみねこの面白さは、
平穏に進めておきながら急転直下で絶望に叩き込まれる、
あのサスペンス溢れるストーリーにあったと思うのですよ。
しかし今回は割と早い段階でもうどんでん返しは無さそうだな……
と思えてきて、実際その通りになったわけで。
ラストはもうキン肉マン並みに死人があっさり復活するし。
幻想世界の住人だから、普通に考えればいくらでも復活できるよね。
後ヱリカ卿が最後まで敵のままで本当に良かった!
知的強かん者のままでよかった!
あの気色の悪いハッピーエンド教に
感染しないで本当によかった!
ベルンカステルVSラムダデルタとか、アウアウローラの反則技とか。
振り返ってみると面白かったのは主に魔法バトルばかりでした。
とっくに分かりきったことなんだけど、結局この作品における密室などの『謎』は、
ストーリーを彩るための、テーマを語るための道具立てに過ぎず、
推理して真相を解き明かすようなものでは最初から無い。
こういう真面目に推理しようとするとアホを見るタイプの作品は
実は推理小説界においても少なからず存在し、
既にメタ・ミステリというジャンルとして確立されている。
あー、推理小説らしい部分はありました。
十八が実は縁寿ではなく戦人だったって叙述トリックには見事に騙されましたよ。
これと、理御の性別誤認トリックがまともなミステリーらしいところだったかな。
後、EP4での現代のストーリーの真相は明かされましたな。
ラストの手品か魔法かの選択肢。私は迷わず手品を選びましたよ?w
真実を知ることに意味は無いとか散々言っていたが、
なるほど、我々は「真相は明らかにされない」という真実を知ったことで
縁寿と同様の体験が出来たわけだ。
それでも真実を知る意味はあったと思う。
少なくとも、もう「本当に謎は解かれるのか」と言う心配をせずに済むのだから。
何かこき下ろしているような文章になってしまったが
実際は「まぁそんなもんか」という気持ちなんだよね。
読者が何言ったところで完結した作品が変わるわけでもなし。
また記事書くかもしれませんがその時はもうちと褒める感じになるかも。
しかし、うみねこを勧める時はどう言えばいいのかね?
「面白いよ。でも、作中の謎は大抵解決されないまま終わるから
真面目に考えるだけバカを見るよ。
それより気楽に普通のファンタジー小説として楽しんだ方がいいよ」
どちらが親切なのか……私にはわからないよ。
多分理想的なのはノンストップでEP8まで一気にやることだと思うんだけどね。
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